📋 この記事のポイント
- Amazonは売上を作りやすい反面、手数料構造が複雑で「見えないコスト」が利益を圧迫する
- 全体のPLではなく、SKU(商品)単位での「収支(利益)」を把握することが経営の生命線
- FBA手数料・保管料・広告費の3つの「利益を食う構造」を理解し、対策を打つことが重要
- 株式会社IRUNEは損益分岐点ACOSの設計と在庫適正化の助言で利益体質への転換を支援
「今期の売上は過去最高を更新しました」——そう報告を受けたとき、あなたは本当に喜べる状態でしょうか。
Amazonで事業を展開する経営者や責任者の方から、株式会社IRUNEに寄せられる相談の中で最も多いのが「売上は伸びているのに、なぜか手元にキャッシュが残らない」という悩みです。
この現象には明確な理由があります。Amazonは「売上を作りやすい」プラットフォームである一方、FBA手数料・販売手数料・広告費といった複数のコストが複雑に絡み合い、利益構造が極めて見えにくい設計になっているのです。
本記事では、Amazon運用で陥りがちな「売上は過去最高、利益はトントン」の原因を深掘りし、利益体質の事業へ転換するための具体的な視点を解説します。
その売上は「健全」か?「1商品あたりの収支」の再点検
売上全体ではなく「1商品単位の収益性」を見なければ、赤字商品を売り続けることになる
多くの経営者が陥る最初の罠は、「全体のPL(損益計算書)だけを見て判断してしまう」ことです。月次の売上と経費を並べて「今月は黒字だ」と安心していても、実は特定の商品群が大きな赤字を垂れ流しており、他の商品の利益を食いつぶしているケースは珍しくありません。
ここで重要になるのが「1商品あたりの収支(SKU別損益)」という考え方です。これは、1商品(1SKU)単位での収益性を計算する手法であり、Amazon運用においては以下の計算式が基本となります。
📊 1商品あたりの限界利益の計算式
限界利益 = 販売価格 −(原価 + FBA手数料 + 販売手数料 + 配送代行手数料 + 広告費)
この計算を全SKUに対して行うことで、「売れているけれど赤字の商品」と「販売数は少ないが高利益の商品」を明確に区別できます。
なぜ「どんぶり勘定」は危険なのか
Amazonでは、商品カテゴリーやサイズによって手数料率が異なります。さらに、広告費は商品ごとに大きく変動するため、全体の平均値で管理していると、本当の収益構造が見えなくなります。
特に危険なのは、「売れ筋商品=利益を生む商品」という思い込みです。実際には、売れ筋商品ほど広告費を投入しており、蓋を開けてみれば限界利益がマイナスだった、というケースは非常に多いのです。
✅ 利益管理の鉄則
どんぶり勘定をやめ、SKUごとの限界利益を毎月把握する。赤字商品は「なぜ赤字なのか」を分解し、価格改定・広告費削減・撤退のいずれかの判断を下すこと。
💡 IRUNEならこう解決する
株式会社IRUNEでは、独自の利益管理手法に基づき、利益率の低い商品に対して、セット販売による単価向上、価格改定、あるいは撤退(損切り)を含めた事業設計を支援しています。
FBA手数料と保管料という「見えない固定費」
商品サイズ区分が1つ変わるだけで、手数料が数百円単位で変動する
Amazonの手数料体系は、一見シンプルに見えて実は非常に複雑です。特にFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用している場合、商品のサイズと重量によって手数料が細かく区分されており、わずか数センチの違いで「小型」から「標準」へ、「標準」から「大型」へと区分が変わり、手数料が跳ね上がることがあります。
Amazonの計測ミスが利益を食いつぶす
あまり知られていませんが、AmazonのFBA倉庫での商品計測には誤差が生じることがあります。本来「小型」区分であるべき商品が、計測ミスにより「標準」として登録されてしまい、本来より高い手数料を請求され続けているケースは少なくありません。
この問題は、販売者側から「再計測依頼」を出さない限り修正されません。つまり、気づかないまま余分な手数料を払い続けている可能性があるのです。
長期在庫保管手数料の恐ろしさ
FBAを利用するもう一つのリスクが「長期在庫保管手数料」です。FBA倉庫に365日以上保管されている在庫には、通常の保管料に加えて追加の手数料が発生します。
この手数料は在庫の量と保管期間に応じて加算されるため、「いつか売れるだろう」と放置していた在庫が、気づけば利益を大きく圧迫する「負の資産」に変わっていることがあります。
あわせて読みたい 2026年のAmazon手数料改定と長期保管料の詳細はこちら →| 保管期間 | 追加手数料 | リスク度 |
|---|---|---|
| 0〜365日 | 通常保管料のみ | 低 |
| 365日以上 | 長期在庫保管手数料が追加 | 高 |
✅ 在庫管理の鉄則
FBAに納品している商品のサイズ区分は、定期的に確認し、誤りがあれば再計測依頼を出す。また、90日以上動いていない在庫は「不良在庫予備軍」として、処分・値下げ・返送のいずれかを早期に判断すること。
💡 IRUNEならこう解決する
株式会社IRUNEでは、最適な在庫数の算出をサポートし、回転率の悪い在庫(不良在庫)については、健全化に向けたロードマップ策定や在庫管理システム上の助言を行っています。
広告費の罠。「ACOS」だけでなく「TACOS」を見る
ACOSが低くても、全体売上に対する広告依存度が高ければ利益は残らない
Amazon広告の運用において、多くの事業者が注視する指標が「ACOS(Advertising Cost of Sales)」です。これは「広告売上に対する広告費の割合」を示す指標であり、ACOSが低いほど広告効率が良いとされます。
しかし、ACOSだけを見て「広告運用はうまくいっている」と判断するのは危険です。なぜなら、ACOSはあくまで「広告経由の売上」に対する指標であり、事業全体の収益性を反映していないからです。
TACOS(Total ACOS)という視点
そこで重要になるのが「TACOS(Total Advertising Cost of Sales)」です。これは「全体売上に対する広告費の割合」を示す指標であり、以下の計算式で求められます。
📊 TACOSの計算式
TACOS(%) = 広告費 ÷ 全体売上 × 100
TACOSを継続的にモニタリングすることで、「オーガニック売上(広告を使わない自然検索からの売上)」と「広告経由売上」のバランスを把握できます。
理想的な状態は、広告投資によってオーガニック売上も伸び、結果としてTACOSが下がっていく状態です。逆に、広告を止めた途端に売上が激減する状態は、広告依存度が高すぎることを意味しており、利益構造として脆弱といえます。
商品ごとの粗利に合わせた入札管理
もう一つの落とし穴が、「全商品一律の入札管理」です。利益率が30%の商品と10%の商品に同じACOS目標を設定していては、後者は広告を回せば回すほど赤字になります。
商品ごとに「損益分岐点ACOS(Break Even ACOS)」を設定し、それを超えない範囲で入札を管理することが、利益を守る広告運用の基本です。
📊 損益分岐点ACOSの計算式
損益分岐点ACOS(%) = 粗利率(%)
例:粗利率が25%の商品は、ACOSが25%を超えると赤字になる
✅ 広告運用の鉄則
ACOSだけでなくTACOSを定期的にモニタリングし、オーガニック売上とのバランスを把握する。また、商品ごとの粗利率に基づいた損益分岐点ACOSを設定し、利益率の高い商品には積極投資、低い商品には抑制という「メリハリ運用」を徹底すること。
💡 IRUNEならこう解決する
株式会社IRUNEでは、商品ごとの粗利率に基づいた損益分岐点ACOS(Break Even ACOS)を設計し、それに基づいた広告運用の代行を行っています。「広告を回すほど赤字」という状態から脱却し、利益を生む広告運用への転換を支援しています。
まとめ:売上最大化から利益最大化へ
Amazon運用の目的は「売上を伸ばすこと」ではなく「利益を残すこと」
本記事では、Amazonで「売上は過去最高、利益はトントン」という状態に陥る3つの原因を解説しました。
- 1商品あたりの収支の欠如:SKU単位の限界利益を把握せず、赤字商品を売り続けている
- FBA手数料・保管料の見落とし:サイズ区分の誤りや長期在庫が利益を圧迫している
- 広告費の管理不足:ACOSだけを見てTACOSを無視し、広告依存度が高まっている
これらの問題に共通するのは、「見えないコスト」が利益を食いつぶしているという点です。そして、これらは適切な分析と仕組みづくりによって改善できる問題でもあります。
株式会社IRUNEでは、元Amazon在籍メンバーの知見を活かし、「売上最大化」から「利益最大化」への転換を支援しています。まずは無料のアカウント診断で、あなたの事業の収益構造を可視化してみませんか。
筋肉質な事業体質を作り、持続的に利益を生み出すAmazon運用を、私たちと一緒に目指しましょう。

















